インプラントのトラブル・失敗
インプラント治療は非常に成功率が高く、長期的に安定する治療法です。しかし、すべてのインプラント治療を行なう歯科医師がそういった結果を出せるわけではありません。まず当然、臨床医の専門的な研修、経験、トレーニングによって、その治療結果が担保されるということを忘れてはいけません。インプラント治療の失敗は、手術から歯を入れるまでに起こる初期の失敗、すなわち手術に起因する神経へのダメージ・感染等の問題と、歯が入った後に起こる後期の失敗に分けられます。
初期失敗はより基本的な問題と考えられます。もっとも頻度の高い二次的な失敗(後期失敗)は、インプラントの歯周病であるインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎は10年で約2割の患者に起こるといわれています。そのため、治療前から口腔衛生環境の改善と長期的でかつ計画的インプラントのメンテナンスを行なうことで、合併症が起こる頻度を抑えることができます。
他にもインプラントの上部構造の問題、歯に関する問題であったり、審美的な障害であったり、さまざまな合併症がありますが、多くは治療の準備(計画的な治療)によって、かなりのレベルで防止できるものです。
インプラント治療による初期の失敗を防ぐためには、専門的な知識を持ち、これまでに様々な症例を診てきた医師の下で治療を受けることが大切です。インプラントの専門知識を常に学び続けている医師であれば、安心して治療を受けられるでしょう。これは、初期の失敗を防ぐだけでなく、後期失敗を防ぐために、長期的な計画を立てて治療を続けていくことにもつながります。
信頼できる医師の下で治療を受ける際、もちろん健康面も重要ですが、コスト面も気にかけておくべき部分です。なぜなら、機能性や審美性を求めるインプラント治療は保険適用外の自費治療になりますので、他の治療よりも高額になりがちだからです。コスト面も踏まえて、納得いく結果を得るためにも、トラブルや失敗を防ぎ、長期間寄り添ってくれる医師の選定が大切です。