インプラント治療のトップダウントリートメントとは?

歯科コラム Column

インプラント治療のトップダウントリートメントとは?

インプラント治療のトップダウントリートメントとは?

トップダウントリートメントとは、(Top-down treatment)は、医療や治療の文脈で使用される用語です。これは、病気や疾患の治療において、症状や診断に基づいて、最初に最も効果的な治療法を選択するアプローチを指します。つまり、患者の症状や疾患の特性に合わせて、治療をカスタマイズする方法です。逆に、ボトムアップトリートメントは、一般的な治療から始めて個別のケースに合わせて調整するアプローチです。トップダウントリートメントは、効率的な治療を提供し、患者に適切な医療ケアを提供するための重要な戦略の一つです。

インプラント治療におけるトップダウントリートメントとは、患者様の状況や希望により事前に治療結果を最適化し、それに見合った治療計画から治療手順を事前に完了までを決定します。インプラント治療で心配なのは、治療後の審美性や機能性などの様々なトラブルでしょう。トップダウントリートメントによりさまざまなリスクを下げ、患者様への負担を様々な観点から軽減するのに役立ちます。

本コラムでは、トップダウントリートメントの考え方や採用される手法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療の計画方針は「補綴主導型」と「外科主導型」の2種類

インプラント治療における治療計画の作成方針は「補綴主導型」と「外科主導型」に大きく分けられます。従来は「外科主導型」が一般的でしたが、1990年代後半より「補綴主導型」が主流となってきました。補綴主導型とは、最初に治療ゴールを補綴的(どのようなはを作るかから)に検討し、模型やCT画像などを用いて、治療前にシミュレーションしたりインプラントの埋入位置を決めたりする方法です。

一方、外科主導型は歯槽骨の状況などに応じて、骨に合った位置にインプラントを埋入する方法となっています。骨の吸収等が著しく、理想的な位置にインプラント埋入できない場合に選択します。補綴主導型のインプラント治療は、歯磨きがしやすい位置にインプラントを埋入できるのが特徴です。インプラント治療後、毎日の歯磨きで歯垢を取り除きやすいため、インプラント周囲炎を防ぐのに効果的とされています。

トップダウントリートメントを用いてインプラント治療計画を立てる場合は、咬合診査やCT撮影などの結果に基づいて、インプラントの埋入位置を決定するのが一般的です。手術前に、さまざまなリスクや治療後の歯並びを確認したうえで、説明を十分に受け、治療を受けられる点も大きなメリットといえるでしょう。

トップダウントリートメントを実際に実現するには

トップダウントリートメントのコンセプトに基づき、インプラント埋入手術には以下の手法があります。

  • ・ガイデッドサージェリー
  • ・ナビゲーションサージェリー
  • ・フリーハンドでの埋入
  • ・フラップレス埋入

ガイドサージェリーとは、手術用ガイドを使ってインプラント手術を行う手法です。コンピュータソフトを使って骨の形態や神経の位置、噛み合わせを分析し、インプラントの種類やサイズを設計します。さらに、サージカルガイドを作成し、手術時に歯茎に固定した状態でインプラント体を埋め込むため、正確な位置にインプラント埋入できるのが特徴です。一方、治療コストの上昇や口の開きづらい方や奥歯には適応が難しい場合もあります。

次に、ナビゲーションサージェリーとは、ドリルの位置をコンピュータ画面上で確認しながらインプラント体を埋め込む手法を指します。手術中にドリルの位置をコンピュータの画面上でリアルタイムに追跡する、ガイデッドサージェリーの一種です。一部のメーカーが販売していますが、まだ一般的に普及しているわけではなく、今後の発展が期待されます。

フリーハンドは周りの歯を参考にして直接埋入する方法で多くの場合、なおもこの方法でインプラントを埋入しています。複雑でない症例のほとんどは問題なく適応できると言って良いですが、やはり術者の経験と技量に大きく左右されます。

最後に、フラップレス埋入は歯茎を切開せずにインプラント体を埋め込むため、出血が少ないだけでなく、術後の腫れなどを軽減できます。患者さまにとっては、負担が少ない術式です。十分に骨の量があり、高齢者などで負担軽減が必要とされる場合に適応となります。

どの手法を用いてインプラント治療を行うかは歯科医師と相談し、インプラント治療を成功に導きましょう。

Q1 トップダウントリートメントに基づくインプラント治療で骨造成を行うケースはありますか?
A1:骨量不足がみられる場合には、理想的な位置にインプラント埋入を行うために骨造成を行う可能性が高いです。骨や人工材料の移植により、骨量不足を解消してからインプラントを埋入する、もしくはインプラント埋入と同時に骨造成を行うとインプラントの予後を良好に保てる可能性が高まります。
Q2 インプラントに寿命はありますか?
A2:インプラントは永久に使えると勘違いしている方も多いですが、一般的に10年の残存率は90%程度と言われています。インプラントの寿命というより、支えている患者様自身の骨が壊れることによる場合がほとんどです。もしくは、インプラント本体は問題がなくともインプラント体から人工歯が外れたり、破損した場合は、新しい人工歯に交換しなければいけません。ただし、インプラントを正しくメインテナンスし、定期的に歯科検診を受けると寿命が長くなります。
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