骨がない場合のインプラント治療
インプラント治療とは、見た目が美しく綺麗なのが特徴とされる治療法です。しかしまずインプラント体を歯列に埋め込む必要があります。元々歯があった場所の骨部分に埋め込む必要があるのですが、顎骨が薄いなど、十分に骨がない場合はすぐに埋め込めないこともあります。ではそのような場合はどうすればいいのでしょうか。インプラント治療はできないのではと諦めるのは早計です。今回は骨が足りない場合の治療方法についてご紹介します。
骨の幅や厚さが足りない場合には、骨再生誘導法(GBR)という治療を行ないます。これは骨増生術であり、骨補填材料と遮断膜を使って治療をするケースが多いです。これらを用いて、骨が再生する空間を作っていきます。一般的に、骨を再生するのにかかる時間は16週間以上、つまり、4ヶ月ほど必要になります。この骨増生は、インプラント体を埋め込むのと同時に行なう場合もありますし、先に骨増生を行なって、骨が再生されてからインプラント治療を行なう場合もあります。
骨再生誘導法の後で、腫れ、発熱感、内出血が出ることもありますが、数日で痛みがおさまり、痛み止めの処方も可能です。そして、骨の高さが足りない場合には、ソケットリフトやサイナスリフトといった治療を行ないます。ソケットリフトは、垂直アプローチとも呼ばれます。上顎洞までの距離が近く、骨が少し足りない場合に用いる方法です。インプラント体を埋め込むために穴を開けますが、そこから上顎洞の粘膜を持ち上げます。それから、自分の骨や骨補填材料を移植し、同時にインプラント体を埋め込みます。
サイナスリフトは、側方アプローチとも呼ばれ、ソケットリフトよりも多くの骨を作らなければならないときに用いる方法です。上顎の奥歯の治療の際に行ないます。上顎の骨の横から穴を開け、自分の骨や骨補填材料を側方から移植します。このように、骨が足りない場合でも様々なアプローチでインプラント治療は可能です。気になることがありましたら、気軽に歯科医に相談してみてください。